「膝の水を抜くと癖になる」というのは本当なのか?
膝の水は悪いものではありません。
膝が悪い人に起こる正常な反応であることを知っていますか?
膝の水というものを誤解している人を多く見受けられます。
また、病院での治療の意味も誤解しています。
病院で注射をしてもらうと、全て治るわけではありません。
病院で電気治療をしているから治るのでもありません。
膝関節の正しい知識を身に付けて、膝の症状を悪化させないようにしましょう。
膝の治療の勘違い9項目
1、膝に水が溜まっているから悪いのか?
2、膝の水は抜くと癖になるのか?
3、膝への注射はあまり良くないのか?
4、膝の痛みは歩けば治る?
5、膝の痛みは老化現象なのか?
6、フトモモの筋肉をつければ治る?
7、体重が重いから膝が悪くなる?
8、膝の痛みは遺伝である?
9、グルコサミンは効果があるのか?
膝の正常な機能の話とともに、勘違いをなくしましょう。
1、膝に水が溜まっているから悪いのか?
膝の水とは何かをご存知でしょうか?
簡単に言うと血液から作られた関節液が存在しますが、膝の中に炎症が起きることで通常よりも関節液が多くなります。
水というのは、通常より多い関節液のことなのです。
関節内が悪いから膝に水が溜まるのであって、水が溜まっているのは正常な防御反応なのです。
2、膝の水は抜くと癖になるのか?
関節内の水を抜くと癖になって、水が溜まりやすくなると言われていますが、膝が悪いから水がたまるのであって、癖になっているのではありません。
しかし、水が溜まっている状態のままでは、膝を曲げると内部からの痛みが出現します。
これは膝の関節内には関節包という袋がいくつもあり、この関節包内に異常溜まった水が関節を内側から圧迫するからです。
この圧迫している水を抜いてあげることで、関節内が格段に楽になります。
膝を楽にするためだけですが、水は抜いてあげるのがベストな選択だと思います。
3、膝への注射はあまり良くないのか?
注射をしたら痛みが出現したなどから、注射をするのはあまり良くないと言われることもありますが、関節を一時的に楽にするにはとても効果があります。
膝関節の注射は主に①ヒアルロン酸 ②キシロカイン(麻酔薬) ③ステロイドの3種類あります。
①ヒアルロン酸
これはよく言われる関節液にとても近い潤滑剤であり、関節液が少なくなっている人は、これを続けることで関節を守る効果が期待できます。
※ヒアルロン酸が関節内から抜けずに溜まってしまう場合は、水が溜まっているのと同じように痛みが出現することもあります。
ただし、これは根本的な問題解決には至らないので、関節液が減っている原因を探る必要がありまず。
②キシロカイン(麻酔薬)
これは強い痛みの場合に効果があります。
しかし、痛みは関節が悪いから動かしてはいけませんという危険信号です。
薬によって痛みを止めて動かせば、関節の悪い部分を悪化させてしまう可能性もあります。
痛みがひどくないのに麻酔を続けることは避けるほうがいいと思われます。
③ステロイド
関節内が腫れているなど、炎症を止める効果が期待でき、水が溜まるのを抑える効果が期待できる薬です。
ただ、一時的な効果ですのですので、打ち続ければいいというものではありません。
最近では持続性のステロイドを注射することがあるようですが、これが膝の悪い部分を治すのではないと考えたほうがいいでしょう。
このように効果としては十分にあるのですが、どれも関節の変形などを根本的に治す効果が期待できるものではありません。
また、注射による神経や組織の損傷、関節内への針刺の痛み、感染症などの問題が出現する可能性もあります。
注射というのもリスクはあるので、注射頼みも程々にするのがいいでしょう。
4、膝の痛みは歩けば治る?
このように考えている医療関係者も多いことに驚かされますが、膝の状態によっては悪化させる可能が高い危険な賭けの治療方法です。
「歩きなさい」と言われたことで歩いたら、痛みがひどくなってしまったという話が非常に多いのです。
膝の痛みがなぜ起こっているのかを考えなければいけないのです。
歩くと痛みが増す人は、無理な歩行は出来ない状態であることを自覚することも重要です。
5、膝の痛みは老化現象なのか?
関節軟骨がすり減っている老化現象だから痛いと、言われることが非常に多いと思います。
しかし、本当に老化現象なのでしょうか?
関節の軟骨がすり減っているのは、ほとんど内側か外側の片側であり、繰り返しストレスを掛けていることが原因となります。
内側と外側に均等にストレスがかかるように、機能調整をすれば自然と痛みはなくなります。
老化現象と言って諦めさせていることが、人工関節の手術にまで悪化する人を増やしている原因なのです。
6、フトモモの筋肉をつければ治る?
フトモモの筋肉をつけることは、膝の正常な機能を促進する重要な要素になります。
しかし、殆どの人はフトモモの筋肉をつけることが出来ません。
筋力が付くほどのトレーニングは、かなり頑張らなくてはいけないこと。
そして、フトモモの筋力が落ちた原因を取り除いていないことが原因です。
実際にはフトモモの筋力が落ちる前に、その原因を取り除いてあげることが一番重要な要素なのです。
7、体重が重いから膝が悪くなる?
体重が重いと関節変形が起こってしまうのは、正解であり不正解です。
体重が重くなると、姿勢や膝関節症の原因の部分に問題を起こすことで、膝が悪くなるのです。
体重を落とすことは関節の機能を正常に近くするのは事実ですから、重すぎる体重は減らすことは重要となります。
しかし、痩せていても膝の痛みは起きていますので、実際には体重が一番の問題ではないのです。
8、膝の痛みは遺伝である?
時々ですが、遺伝説を訴える方もいますが、それほど高い確率はないと思われます。
膝自体には、遺伝的要素で悪くなっているのではないと思われます。
しかし、間接的には遺伝的要素が存在するとも言えます。
生活環境、弱い臓器による姿勢変化、食生活による動脈硬化、体型など、問題を起こす要素は親子の関係性が高くなるでしょう。
9、グルコサミンは効果があるのか?
簡単に言うと効果はありません。
ウサギの実験では効果があったということですが、人を対象とした効果判定を医師がしています。
その結果は、効果はないと学術発表されています。
何人もの医師が様々な判定試験を行い、効果がないとわかっています。
効果があるという結果は皆無なので、処方する医師は全くいないのです。
では、効果があると思っている人は何でしょうか?
プラシーボ効果なのか、一部の人には効果があるのでしょうか?
売れ続けているグルコサミン、広告効果の恐ろしさを感じます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は膝が痛くなった時にどうすればいいのか?
それを、自分で検討できるように、9つの勘違いしやすい項目をまとめました。
一般的な病院での治療での検討の一助にはなると思われます。
しかし、、、
膝の痛みの原因を根本的に治すものではなく、症状を取ることだけなのです。
当院に来院される方の殆どの方が良くなりますが、手術をしない限り再発を繰り返す場合もあります。
このような場合には、徒手的な調整では手遅れなのです。
痛みが出るのは、その部分の負担が限界が近づいているサインです。
手術になる前の予防として、早めに負担を減らしてあげるようにしましょう。