癖になった捻挫の調整

症例

13歳中学1年生 バスケットボール部

昨年右足首の捻挫をしてから、何度も繰り返すようになった。

左足首も1度捻挫をした。

現在は痛みはないが不安定な状態であるということ。

 

施術前評価

立位では足指を握り込んだ前足部荷重で膝関節を力を入れて伸ばしている状態。

立位姿勢は不安定のためか、バランスではなく力を入れて立っている。

仰向けで寝た状態では、足先が底屈内反(足先が内側に向いている)の状態。

足関節では右三角靭帯、左前距腓靭帯にゆるみがみられる。

 

施術

右>左で膝下のアライメントを調整(膝から下の二本の骨と足部の骨の場所を調整)

股関節の調整(特に殿筋が硬く、股関節の動きが悪くなっていた)

骨盤の状態は良くないかったが、仙腸関節をストレッチするだけで改善。

自作のバランスボードを用いて、前後の重心バランスの練習

 

考察

足の骨の位置が悪いために、足関節がうまく機能していない状態であった。

また、足部のアーチの変化によって、足の裏の緩衝作用が低下している状態であった。

大腿四頭筋は筋力強化をメインで行い、ストレッチが不十分なために、骨盤を前方へ傾けてしまっている。

全身の重心位置が前方へズレてしまっているために、全身が内巻きの姿勢に変化してしまっている状態であった。

 

施術後

重心位置が足底の土踏まずへ移動、これによってバランスでの立位が可能となる。

ハムストリングス優位ではなく、抗重力筋である大腿四頭筋や殿筋で支えて立つことが可能となる。

足の裏全体でしっかりと立つことができており、足のアーチも改善。(もう少し甲高の状態はある)

足関節も動きが正常に近くなる。

 

 

 

まとめ

人が立つにはバランスで立つのが普通であり、赤ちゃんが歩き始めるときにはバランスで歩き始めます。体のバランスが悪くなるほど力で立つようになり、体全体のバランスが悪くなってしまいます。

今回は初回の捻挫から足関節の状態が悪くなり、それに併せて体のシステムが崩れてしまった可能性があります。

しかし、股関節が硬く可動域が少ないので、筋力強化の後の不十分なストレッチが関与していた可能性も否定できません。